私は赤緑色弱で特に赤緑が見分けづらく、紺と黒、ピンクと白も間違えますが、なぜか昔から人より得意なことがありました。
それは2つ
隠れている昆虫や生き物を誰よりも早く見つけられる特技
と
夜目が効くこと。夜間でも良く周りが見えていました。
TVなどで擬態する虫や生き物を見分けるクイズ番組などでもタレントや家族が分からないな虫や魚など直ぐ解答してわかってしまいます。
そして
趣味の釣りで夜釣りに行っても懐中電灯無しでもスタスタ。友達も良く見えるなーといっていました。暗闇が得意でした。
- 色弱の私は虫や動物など生き物を直ぐ見つけることができた
- 色覚異常の持ち主が擬態を見抜く特性の訳とは
- 色弱の私が暗闇に強い訳は?
- 実は哺乳類は進化の過程で2色覚(色覚異常)に退化?していた。
- 色覚異常の進化の過程での特異性
色弱の私は虫や動物など生き物を直ぐ見つけることができた
子供の頃は、男の子は虫が好きですね。
でも多くの生き物は擬態して背景色と同じ色にして敵から身を守りますよね。
バッタやセミなど・・・・殆どの虫は背景と同色で隠れています。
でも私だけは
不思議なことに一緒にいる友達の倍も見つけて採集していました。
草むらにいるバッタ、カマキリ。
木にとまっているセミ、カブトムシ・・
カエルなんて直ぐ見つけてしまいます。
草むらを歩いていると「あそこにいるよ、ここにいるよ」と、言っても
皆が「どこにいるの?」「わからない」「見えない」と逆にきかれてしまいます。
他では
家族で山にハイキングや登山をしたりすると
鳥や動物など直ぐ見つけてしまいます。
身近な鳥からキジや雷鳥までも・・
哺乳類はサル、タヌキ・キツネ・鹿、カモシカなどなど
カモシカなどは動かないので普通の人は見つけられないといいますが私は何度も見つけています。
それに
海や川に行けば、水面を見て直ぐ魚を見つけてしまいます。
水族館など水槽から横で見ると魚は良く見えますが、魚は水面から覗くと見えにくくきれいでもありません。
魚は水面上から鳥などに食べられないために保護色で見えにくくなっています。
それでも「あそこに魚が沢山いるよ!」と言っても、皆は「どこどこ??見えない」ということは何度もありました。今でもそうです。
TVで放映されている擬態する動物なども大体がわかります。
また夜に強い。
夜間に周りが人より良く見えるということが度々ありました。
これは自分個人の特異性だとばかり思っていましたが、あとから色弱などの色覚異常の持ち主は擬態を見分けられて夜目が強いという特殊能力があるということを大人になって聞いて腑に落ちました。
色覚異常の持ち主が擬態を見抜く特性の訳とは
その理由とは
- 健常者より保護色の生き物を色でなく色の濃淡で判別するので擬態している生き物を見つけやすい
だから
色覚異常者は健常者より迷彩色に惑わされずに色の濃淡がに敏感なので迷彩服や迷彩した戦車などをみつけやすい
公益社団法人 日本眼科医会でも詳しく表記されていまいた。
緑豊かな森の中では、保護色に身を包んだ小鳥や虫などを探し出すのは大変です。色覚が正常な人は色の感覚が最優先され「明るい緑」、「深い緑」、「黄緑」、「青緑」など、全体を「緑色の群れ」として知覚するからです。
それに対し、色覚異常の人には「青みがかった緑」と「黄みがかった緑」とはかなり違った色として知覚されますので、全体の「緑」の感覚に惑わされず、ときには小鳥や虫などを、色覚正常な人よりも素早く見つけ出すこともできます。
なるほど、
だから色弱の自分は赤緑は見分けづらいけれど、色の濃淡に敏感なために、
一生懸命に隠れようと擬態しているつもりの生き物を、直ぐに見つけられたのですね。
ベトナム戦争の時に米軍はベトコンの迷彩カモフラージュを不自然な明暗の変化として容易に発見できるために。色覚異常者を集めて色盲部隊を編成いたらしいです。
確かに、そういえば私は子供時代から今日まで
戦争映画などで見る迷彩服やカモフラージュは、子供がふざけてやっているとしか思えないような、ちゃっちい感じに見えて笑ってしまいました。
「あれじゃ誰でも直ぐにわかってしまうな?」
本当にあんな子供だましの迷彩で本当に戦争していたのか?と思ったいたのは自分の色弱のせいだったと改めて認識しました。
今でも戦争映画や自衛隊の迷彩服や木などでカモフラージュしているのは稚拙に見えて遊んでいるレベルに見えてしまい、こんなことで人は騙せないと思ってしまいます。
でもそれは違ったんですね。
私が色弱だから幼稚に見えるだけで普通の人は迷彩服や擬態した兵器などは見つけにくいんですね。
初めてわかりました。
では何故、色弱の遺伝子がずーと長い年月の進化の過程で淘汰されずに継承されているのか調べてみました。
色弱の私が暗闇に強い訳は?
先の擬態を見破るのと同じで、色で区別するより色の濃淡で判断するので、特に1色の暗闇の中の僅かな光の濃淡で輪郭など物の形を見分けていたのでしょうね。
暗闇での肝試し、趣味だった夜釣り・・懐中電灯無しでも問題なく歩いている私。
「良く見えるなー・・夜目が強いね!鳥目じゃないね!」などと言われたりしていました。(※鳥は爬虫類から進化した動物で4色覚といわれているので夜行性ではないと思われます)
面白いことを聞きました。
海の漁師や山の漁師は色弱など色覚異常の人が狩りが上手で、特に夜の漁や狩りの収穫量は他の人よりも多いそうです。
昼間でも水面下の魚は普通は保護色になって見にくいのですが、色弱の私ははっきりと直ぐに魚をみつけてしまうので漁師さんはうってつけの職業かもしれませんね。
獲物を夜の中でも確実にとらえる色覚。
ネコなどや野生動物は殆どが夜行性です。
野生動物は夜の狩りが上手。
実は夜に活動する動物は人でいう色弱(2色覚)なんです。
まさに野生動物の眼ですね。
皆から「よく暗いのに見えるね!」と言われたりしていたのも、もしかしたら色弱のおかげかもしれませんね。
実は哺乳類は進化の過程で2色覚(色覚異常)に退化?していた。
進化の過程で、私たちの祖先の哺乳類は色覚を4色覚から敢えて退化?させて2色型になったそうです。
脊椎動物は4色型でしたが、恐竜の時代の哺乳類は小型の夜行性動物だったので夜行性へ適応するために2色型になっていったそうです。
そして霊長類だけが2型から3型に色覚の色を増やしていきました。
また何故、霊長類が3色型に進化したかというと、
霊長類は、恐竜が絶滅してから昼間の活動になり、森で生活をはじめ、森の緑と主食である果実の熟れ具合を遠くからでも確かめられるように、色覚を1つ取り戻したといわれてもいます。
確かに色弱の私の苦手な分野に果物などの熟れ具合がわからないことが含まれます。
今でも
霊長類以外の哺乳類は2色型
だそうです
知りませんでした。
この世の生き物のほとんどが4色型で哺乳類(人以外)は2色型だったとは・・・
※4色型は赤、青、緑に加え、紫外線もみえるそうです
犬も猫もライオンも像も人以外の哺乳類は・・・みんな2色型
色を見分けるための細胞には2種類あって、その性質は下記の引用の通りです。
視細胞には錐体(すいたい)細胞と桿体(かんたい)細胞の2種類があります。
錐体細胞は、明るい場所で色を認識することができますが、暗闇ではそのはたらきが低下してしまいます。逆に、
桿体細胞は色を区別できませんが、わずかな光でも感知できるため、暗い所で主にはたらいています。
このためヒトは暗い場所では、モノのカタチはわかっても、色がはっきりとはわからなくなります。
犬や猫の2色型の哺乳類は
錐体よりも桿体の能力が優れ、暗い所でも僅かな光で物を判別出きるそうです
だから先ほどの色弱は夜目に強いというのも頷けます。
色覚異常の進化の過程での特異性
- 色覚の異常?は野生に近い優れもの
- 進化の過程で生き残り続けている猛者
カモフラージュを見分けやすく、動物や生き物を見つけやすく、迷彩服なども直ぐに発見できる。また夜も目が冴えている野生感覚の持ち主ですね
野生動物の世界では2色型だから劣っているというわけではなく、2色型はカモフラージュ色の獲物や天敵を見つけやすい、ということを示唆する研究があるそうです。2色型のほうが、色柄に惑わされずに物の輪郭がわかるからだそうです。
私は色弱でですが、普段の私生活では困ったことはありますが、普通に暮らしています。
進化の過程で野乳類は4型から2型になったっというのは退化でなくて進化したという認識です。
更に
哺乳類が2型から3型に進化したとのことですが、その中でも色弱の人は劣性遺伝といわれる遺伝子を受け継いでいることは退化でなく、あえて3型から2型の野生の状態に戻るという進化なのではないかと思えました。
何故なら進化の過程の中で滅びゆく生物、遺伝子という存在があるなか脈々と色覚異常の遺伝子が淘汰されることなく消滅されることなく受け継がれている事実。
この事実こそ必要があって受け継がれている進化している中では必要なものだと個人的に結論づけました。
最後に
私が抱いた内容と同じような記述を見つけましたのでご紹介します。
NPO「人にやさしい色づかいをすすめる会」に記載されていた1節です。
しかし近年の研究によって、人類の色覚には多様性があることがわかり、かならずしも多数派が正常で少数派が異常とは言えないと考える人が増えてきました。また、色覚が多様であることの意味は、人類の進化の過程で、その時々の環境に適応するため互いに色彩判別能力を使って助け合うことで、種の存続を守ってきた結果であるという研究もされています。
引用元:色覚についての基礎知識 | 人にやさしい色づかいをすすめる会
正に私が感じていた気持ちを代弁してくれたような1文です。
必要だから存在している。
追記
色覚の遺伝を分かりやすく解説してみました。
脈々と受け継がれている意味がある色覚遺伝の不思議です。