自分が色弱だと知った小学低学年の時。
お絵かき教室の先生から色がおかしいと指摘があったり、どうしても石原式の色覚検査の丸い枠の中の数字が読めなかったのが不思議だった。
それでも、普通に暮らしてた。
色弱の障害で多少間違えることもあったが信号の色もわかっていて、この感覚が当たり前だと思っていた。
けれども紅葉狩りとか花見とか・・花火とかイルミネーションとか綺麗だと思っていたのが人とは全く違うレベルで綺麗だと分かったのが中学時代だった。
高校に入り生物で遺伝の授業があって初めて自分の色弱の生い立ちが良く理解できた。
色覚異常は遺伝によって受け継がれていきます。具体的にどのような条件でどのような子供が生まれるのかなどを説明していきたいと思います。
- 色弱(色覚異常)の遺伝の仕方・仕組み
- 結婚した場合の生まれる子どもの色弱(色覚異常)確率は?
- 男子に色弱(色覚異常)が多い訳
- 色弱(色覚異常)遺伝で「孫の代にでる」と良くいわれる訳は
- 日本の色覚異常の人口は約300万人
- まとめ:なぜ色覚異常は遺伝するのか
色弱(色覚異常)の遺伝の仕方・仕組み
高校の生物では遺伝の学習があります。
文系の人は受けていない人も多いかもしれません。
あのメンデルの法則と劣性遺伝です。
さやえんどう豆のシワの豆と丸い豆の組み合わせが3対1になる。あれです。
ショウジョウバエの実験もした人もいるかもしれませんね。
少し難しくなりますが、
遺伝子には
性別を決める染色体があります。
その染色体には
X染色体
と
があります。
遺伝子は染色体が対になっています。
XY で男の子
XX で女の子
となります。
重要な点は
X染色体上だけで遺伝することです。
(※自分にはあまり赤は目立ちません(笑)が一応普通は目立つということから赤にしました。)
正式には
伴性劣性遺伝(またはX染色体性劣性遺伝)
といわれています。
X染色体を 〇
Y染色体を △
とします。
色覚異常の遺伝子は〇(X染色体)にしかありません。
〇(正常)
●(色覚異常)
△(正常)
の3種類となります。
その男女の対の一つ人の染色対がお互い対になって子供が誕生します。
色弱(色覚異常)男子の遺伝子は
男子はXY染色体なので
〇△(XY)
となります。
※△は常に白色です。黒はありません。
染色体のパターンは
- 〇△(正常)
- ●△(色覚異常)
のどちらかです。
●△が色弱(色覚異常)になりますので、潜在的な色弱の保菌者はいません。
男子は
色弱(色覚異常)女子の遺伝子は
女子はXX染色体なので
〇〇(XX)
となります。
染色体のパターンは
3つのパターンになります。
女子の場合は
黒2つ
黒1つ
●〇では色覚に異常はあらわれませんが、片方だけに潜在的に因子を受け継ぎます。
つまり
女子には
見た目は正常だけど、正真正銘の正常の人と色覚異常の遺伝子を保持している人がいます。
結婚した場合の生まれる子どもの色弱(色覚異常)確率は?
良く聞く話ですが、結婚の時に急にカミングアウトされて困惑したとか、結婚後に子供に異常が出て初めて知ったとか様々なケースがあります。
特に女子の保因者の場合は、完全に色覚は正常なので自覚はありませんよね。
難しいかもしれませんが図式してみます、
先ほどの〇△で表示しています。
それぞれのパターンを解説してみます。
白色の枠 ⇒ 色覚には問題なく遺伝子も正常です。
黄色の枠 ⇒ 色覚は問題ないけれども色覚異常の保因者です。
赤色の枠 ⇒ 色覚に異常があります。
【父親〇正常:母親〇正常】親も母親にも色覚に問題がない場合
2パターンになります。
共に遺伝子レベルで両親が正常な場合
子供は全て子どもは正常です。
色覚の異常は0%
父親が正常で母親が見た目は正常の保因者の場合
母親は色覚が正常なので保因者だとは思いもよらない場合があります。
子供が生まれて気づかれる方も多いです。
自分はこのパターンで生まれました。
色覚の異常は25%
男子だけが半分の確率で色覚に異常がでてしまいます。(私自身)
女の子は異常がでませんが、保因者になる確率も半々です。
【父親×色弱:母親〇正常】父親が色弱で母親が色覚に問題ない場合
ここでも2パターンになります。
父親が色弱で母親が遺伝子でも正常な場合
色覚の異常は0%
生まれてくる子供は全員に色覚的には問題ありません。
しかし、
女の子は全て保因者になります。
父親が色弱で母親が見た目は正常な保因者の場合
色覚の異常は50%
男子も女子も半分の確率で色覚に異常がでます。
女子で色覚に問題なくても保因者になります。
生まれてきた子供が男の子なら完全に正常です。
【父親〇正常:母親×色弱】父親が正常で母親が色弱の場合
見た目の色覚の異常は50%
父親は男には保因者はいないので正常なら遺伝子レベルで正常です。
女の子の場合は色覚に異常はありませんが、全員保因者となります。
【父親×色弱:母親×色弱】両親ともに色覚に異常がある場合
全ての子供が色覚に異常がでます。
男子に色弱(色覚異常)が多い訳
これらの遺伝の確率で男子の場合は、1つのX染色体だけで異常がでてしまうので、倍の確率以上で生まれてくることが分かります。
男子の場合は両親は色覚が正常でも出てくる可能性があります。
つまり母親方の家系に色覚異常の方がいる場合が多いですね。
叔父さんとか祖父母とか。
※私の場合は、これに該当します。
また、女子の場合は2つの色覚異常のX染色体が揃わないと発生しないので
女子に色覚異常が少ないことも分かります。
両親が色弱の場合以外では、父親が色弱(色覚異常)だった場合にしか発生しません。
女子が色覚異常になる場合は男子と違い両親の両家系に色覚異常の方がいる場合が多いです。
多分両親の親戚などの方や祖父や曾祖父の方にいる場合が多いです。
色弱(色覚異常)遺伝で「孫の代にでる」と良くいわれる訳は
これは、女子が色覚異常の保因者になることが、その理由です。
見た目が正常なので子供の代では気づかなくて、孫の代で発生する確率が高くなるために言われています。
先の図表でも分かる通り、たまたま色覚異常が何代も発生しなで女子に何代も受け継がれている場合もあります。
見た目は色覚に問題がないけど色覚異常の潜在的な保因者は女子しかいないのですが、その割合は意外と多くて女性の10 人に1 人の割合にもなります。
日本の人口では、女子の潜在的な保因者の人口は600万人以上となる計算です。
それほど色弱男子より多い保因者の女子が存在していますが、
普段は色覚が正常なために色覚に対しての意識は薄いというか、存在すら知らないという方が大半です。
40 人(男子20人女子20人)の小学生で考えてみると
男子1人が色覚異常に対して、女子2 人が潜在的な色覚異常保因者となります。
その女子が結婚して男子が生まれると色覚異常がでてしまう確率が高くなるためです。
母親もしくは父親のどちらかが親が色弱の場合でも、全員が色弱になるわけではありません。
ただ、保因者として受け継がれる確率が高いので、孫の代の男子に色覚に異常をきたす場合が多くなるから「孫の代にでる」「男孫にでる」と言われています。
一番多いパターンが先にあげた両親とも色覚に問題ないと思っていたパターンですね。
この時に保因者となっている女の子は全く色弱などについては、結婚して子供が生まれるまで意識しなく過ごしてしまいます。
また生まれた子供も問題なければずっと気づかないで代を重ねて、生まれた孫も色覚遺伝の存在を知らないでずっと過ごして、ある時に色覚異常の子供が生まれてびっくりして寝耳水のような感じで驚いてしまうときがあります。
日本の色覚異常の人口は約300万人
日本人では男の約5%,女の約 0.2%といわれています。
男性の20 人に1 人、女性では500 人に1 人の割合です。
そして
日本人全体では約300万人という大勢の人が色覚に障害をもっています。
意外と多いです。
ただ大っぴらに話すことでもなくカミングアウトするわけでもないので
知られていないことが多いです。
また
色弱遺伝子の程度の差が随分とあるので、気づかないで生活している方も大勢いるようです。
私のような程度が重い色弱?の場合は自分で自覚できますが、就職の段階で検査で断わられたり問題が大きくなって廃止されていた色覚検査が復帰されましたね。
小さいときから自覚しているのは良いことだと思います。
まとめ:なぜ色覚異常は遺伝するのか
実は以前の記事にも書きましたが、色覚異常と思っていることは野生動物では当たり前の事。
野生だからこその色覚だという事実もあります。
また、この色覚の遺伝が継承されて、長い年月、歴史を通して脈々と受け継げられているのか。
それはには訳があると思います。
ある意味で必要な遺伝子だからこそ受け継いでいる。
生物学者の方からは「違うよ」と言われ指摘受けるかもしれませんが、
私は勝手に神様からのプレゼントだと思います。
本当に必要なければ消滅している筈ですから・・
必要があって訳があって生まれている。
今あることは意味があるから、
そう思って生きてます。
この不思議な本を読んで更に思いました。