以前お話しした色盲治療で何も効果がなく、その色覚異常(色弱)を治すことを諦めて学生生活を送っていました。中学・高校と誰にも色弱と知られることもなく、またいじめられることもなく過ごしました。特に困ったことも起こらなかったように記憶しています。
ただ理系が得意で好きだったために高校は理系クラスで大学の生物系の進学を希望していましたが、高校2年の時に色々調べてみたら意外と色弱の入学制限があるのを知りショックを受けました。
大学進学での色覚異常の入学制限
当時は意外と多くの入学制限がありましたが、それでも入学制限が無い一応希望校に入学することができました。
その後、小学校の色覚検査は差別に当たるとして廃止されたのに伴い、大学の入学制限もほぼなくなったと聞いております。
それが、いいことだったことだとは自分は思えません。
何故なら自分は周りから苦労するとかなど一応の障害などを自覚して入学したので心構えや自己責任を感じていますが、今のような検査もなく自覚症状もないままに入学した後の色々な問題が起きるとショックをうけると思うからです。
実際、今その検査なしの空白期間の子供たちが成人して困惑していると聞きます。
大学時代の勉学で困惑した出来事
化学実験でフェノールフタレイン液の赤色変化がわからない事件
中学、高校ではさほど不便を感じていなかった自分は、周りのアドバイスも聞かずに進学した大学で初めて自分の今後の将来を危惧する出来事が起こりました。
それは理系の大学なので化学実験で試薬の変化した色が分からないということでした。
水質のHPを測定する時に使用するフェノールフタレイン液は中和した時に無色の水溶液が薄いピンク色になります。その色が変化した瞬間に滴定をやめて、滴定した量からHP値を計測します。
フェノールフタレイン溶液は、赤か無色かで、違いが目でハッキリ判別できます。
BTBは、色の境目が分かりにくいことから、滴定ではフェノールフタレインが用いられます。
ハッキリ???私はわかりせんでしたが、周りの学生はぴったり測定したいた。
その中和した時の色は・・・自分には無色にしか見えませんでした。
ピンクになっと時の1滴で止めないといけなにのに分からないのです。真っ赤になった時点で計測するので結果が間違いで何度も繰り返してしまい、最後は適当に周りの人のデーターを見て適当に実験結果を提出して難を逃れました。
ショウジョウバエの遺伝子実験で赤目がわからない
キイロショウジョウバエを交配して赤目になったショウジョウバエを目視でルーペでカウントしないといけないのですが・・・赤が分からないのに小さなハエの目ん玉(笑)
どのハエも同じ目の色に見えます。
ギブでした。m(__)m
全く分からない・・・仕方ないので目の調子が悪いと言って同級生に頼みました。
その他の実験での出来事
解剖実験などもしましたが、血の色やら臓器の色の違いなどがわかりませんでした。
また色々な自然観察でも色の塩梅が不明瞭でした。
大学の卒業研究は生態学系の内容でしたが、多少の化学実験も定期的にありました。しかし、幸いなことに色判別のようなこともない内容だったので無事に卒論は終了しました。
大学側からは大学院に進学するように勧められましたが、自分の状況を鑑みてお断りいたしました。(※大学側は私が色覚異常だとは知らない)
今考えれば、フィールド関係の生態学の道であればそれほど深刻にとる必要はなかったように思いますが、自分の中では生物・化学の道は難しいと結論付けてしまいました。
個人的には学生生活の中で、感じたことは色覚に異常がある場合は人命に関わる医者や薬剤関係はできない、化学・科学関係なども困難なように思いました。
但し、物理学や数学などの理論的な分野、生物学の生態学や医療では精神科など直接色とかかわりのない分野であれば問題ないと思います。
※上記の色に直接かかわらない医療関係の分野でという文章に対して、現役で医師をしている子をお持ちの方から指摘がありました。
うちの息子は色覚異常だけど内科医です。
— reiko (@reiko34032240) June 2, 2022
色覚異常の同期に外科医もいますね。
色覚異常だと精神科にしかすすめないというのは違います。 https://t.co/13nLoumT1x
色覚異常でも医師になれる。
確かに色覚異常でも医師をしている方をTwitterなどでもみかけますので訂正したいと思います。
色覚異常だからといって医療関係の進学を諦めないで色々と先輩や相談をなされた方がよいかと思います。
卒業後の進路
全く理系とは関係ない総合商社に就職しました。
まあ、そこでも色々ありましたが今思えば生態学を追及していたらどうなっていたかと思ったりもしますが、これはこれで良かったと思っています。
まとめ
国家公務員の自衛官やパイロットなど人命に関する運転手などの雇用制限などもありますが、今は時代も変わり色弱でもイラストレーターをしていたり医師をしていたりする方もいるので最初からあきらめるのではなくて色々と調べてみることをお勧めします。
進学するにあったて、自分がどれくらいの程度の色覚異常なのかを見極めて、将来就きたい分野で自分が活躍できるかをちゃんと前例なども含めてリサーチした上で納得した上で進学してほしい。
全ては自己責任の上で行動した結果は納得できますので。