進学にあたり色弱の私の希望する理系の大学には色覚異常に対する入学制限があり入学が出来ないことが分かりました。
それで高校生の頃、親が将来を心配して、都内の目白にある保険のきかない色弱が治るというクリニックに連れていかれて、それから一年近く通院した思い出です。
結論から言うと大金をドブに捨てたようなもので全く効果は0でした。
- 色弱を治療した時期ときっかけ
- 色弱治療の会社名は目白メディカルクリニック。その治療方法とは
- 色弱治療の料金
- 色弱治療の結果は「効果なし」
- 色覚が正常に治った人がいたのか?
- 和同会・目白クリニックの真偽は?実際どうだったのか?
- 色弱・色盲は本当に治ったのか?
- まとめ:色弱・色覚異常の治療の真実
色弱を治療した時期ときっかけ
中学の頃、週刊誌か何かだと思うが「色盲・色弱が治る」という記事と書籍がでていたらしいが、それを親が見て、ダメもとで目白にあるクリニックに親と一緒に行く。
この本でした。家にありました
色盲色弱は治る―生き方に自信がつく 驚異の治癒効果 (1980年) (ワニの本―ベストセラーシリーズ)
- 作者: 山田紀子
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 1980/07
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そこかしこに色盲が治ったとという文面などが貼ってあったように思う。
そこの先生という人は「絶対なおるとは断言できないけど、治療すれば今よりは良くなると思う。治らなかった人もいれば完全に治った人もいる」と話していたように記憶している。
そこには大勢の人がいて混雑していたのを覚えているし、逆にそのことが信憑性が高い気持ちになっていたようにも思い出します。
色弱治療の会社名は目白メディカルクリニック。その治療方法とは
その名前は目白メディカルクリニック
今では存在しておりません。 詐欺などと言われて訴訟沙汰になった会社です。 勿論、医者でなく病院でもないので医療行為にはならずに保険もきかない法外な高額な料金で治療行為していた会社でした。
目の両脇に電極を当てて、数分電気を流すといった簡易的なものだった。
今考えれば、
肩こりの微弱電流を流すパットを目の横に貼るのとさして変わらない代物でしたね。
JR目白駅から徒歩15分ほどの商店街の雑居ビルの2Fの小さな部屋で治療?していた。
週1・2回学校が終わって、夕方電車に乗って通っていた。
治療方法は、
確か記憶によると、
- 目のマッサージを自分でして、
- 石原式の検査表で現在の状態を確認
- 両目の脇に電極のようなものを当てて電気を流していた(目の周辺がピリピリビリビリして痛かったのを覚えてる)
- 最後に石原式の検査表で色・数字が見えるかどうかの確認。
時間にして30分程度だったように思います。
自宅でもセッセと言われていたトレーニングを毎日やっていた
色弱治療の料金
治療代金は
記憶が定かでないが、医療機関でも認可されたものでもない会社だったので保険も効かないし、治療が成功してからの支払いではなく、治る治らない関係なしで
前払い一括で確か今から35年ほど前の十数万円だったように思います。
期間は1年程通ったと記憶している。期間限定の支払いだったのかは記憶にはない。
ネットに記事がありました。
治療費は前納制だった。小中学生10万、高校・大学生12万、一般14万。治らないと思っても、ほぼ泣き寝入り。
当時は今から40年も前の話だから相当の金額だった思います。
当時の初初任給は10万円ぐらいではなかったのでしょうか?
つまり、治るまで治療という前提なので、途中で治療を断念した人は治らなかったのではなくて、治さなかった。治るのに続けなかったという論法なのでしょうね
色弱治療の結果は「効果なし」
始めのうちは、数ヶ月で色が見えるようになるのかと期待して通っていた、時々見えた!などいう子供もいたが・・・・
今考えると自分も多少見えてきたと思ったこともあって、報告したら、治ってきている証拠だと、そこのスタッフに言われたような記憶もある。
しかし、結局は、何も変化しなかった。
よく思い返せば、そりゃどうでしょうね。
何度も同じ石原式の検査表を見ていれば、正解もしっていることだし、同じ表を幾度となく見ていれば、なんとなく見えている錯覚に陥っているのだと思いました。
あと色は見えるようになったかは良く分かりません。6年以上も通えば数字を普通に覚えてしまいますよ!
また、実際に治った治らないという判断は、単に石原式の検査表のみで判断していたように思います。
結局、通うことをしなくなった。
この治療は治るまで追加料金なしの一括前払いなので、止めたから治らなかったと言われておしまいですね。
色覚が正常に治った人がいたのか?
時々、少し見えるようになったとかいう子供もいたように思うが、実際に完全に治ったという人の話は身近では聞いたことが無かった。
自分の感じでは、毎日見ているうちに何となく見えてきてるように錯覚してしまい見えたように勘違いしていたのではないかと思います。
石原式検査表で見えも、実際の自然の色合いは見れなかったのではないかと思います
石原表懐かしい
あれ、だんだん正解が言えるようになるんですよねー通っていると
治ったからではなくて解答を覚えてしまえたから
それで親が治ったと勘違いする
よくできてるね
色覚専門医の大熊篤二横浜市立大学名誉教授も、「治ったという患者がきたが、診察したら治っていなかった」と話した。
クリニックの中では石原表を読めた。ところが、他の場所でははっきり読めない。そこで石原表を買ってきて宿舎で読んだがやっぱり読めない。しかしトイレでは読めた。そこだけ白熱球だったためだ。そういえばクリニックも白熱球だった。
なぜ色弱が治ったと嘘・虚偽の効果が広がったのか?そこには主観の報告と子供の悲しい事実がありました。↓
和同会・目白クリニックの真偽は?実際どうだったのか?
私事で言えば、誇大広告行為だったように思います。
ただ、もしかして本当にその行為で治った方がいたとすれば、治療効果が100000人に1人の割合だとかではなかったのか?正式に数字で示してもらいたかったです(たぶんしないでしょうが)。
正式に医学会で臨床すべきだと思いました。
また、治療代金も多くの人が受診していることを考えれば、格安にしてもらいたかったな。何百億も稼いでるのだったら・・・・
多くに人がいて子供から大人までいたように思うが、大半は子供が多かったように思う。
今思えば、心配している親が藁もすがる思いで必死にお金を工面して子供の色覚を正常にしようとていたのだと思うと、とても心が痛みます。
結局は、自分は全く変化もなく治らないで治療しに行かなくなった。
期間が過ぎたのか、諦めたのか?親にもう行くなと言われたのか、そこは記憶が無い
もちろん返金もされなかった。
今思えば念書のようなものも書かせれていたのかもしれませんが、良心的な対応であればせめて多少は返金してほしいように思うが、もし返金したら治らないということを認めることになるので出来なかったでっしょうね。
下記の記事がネットにありました。
和同ドクターズグループ(通称・和同会)とは、目白・新大阪・博多の3箇所にクリニックを開いていて、1980年ごろから2001年に目白が閉鎖されるまで20年以上、色盲色弱が治るという「治療」を行っていた。率いていたのは山田武敏会長。
1928年新潟県小千谷市生まれ、旧制長岡中学卒。海外で活動しているときに難病のベーチェット病に罹患し、その治療法を考えているうちにJPJCシステムを編み出したとしている。実は麻布獣医科大学(現・麻布大学)卒でそもそも医師ではない。
『やっぱり治る色盲色弱』の著者・山田紀子とは「目白メディカルクリニック」の当時の院長で皮膚科医であり、山田武敏会長の妻。
この本だが、図書館や学校関係にばら撒いたので図書館では容易に見つかると思われる。
なるほど、これを親が目にしたのでしょうね。
それにしてもオーナーが医師でもない人が運営していたことに憤慨してしまいます。
当時、そんなことは知らなかった。
武敏は麻布獣医科大卒で、数回の離婚歴もある詐欺師。
現に、目白メディカルクリニックでは 10 万人近い人が「治療」を受け、直接の治療費の被害額だけでも百数十億円、宿泊、交通費なども入れれば、1000 億円近い損害があったと思います。でも、誰一人として訴訟を起こした人はいません。
明確に詐欺師と表記している
それであったら逮捕してもらいたいし、完治しなかった人に全額返金したもらいたい。
紀子医師(=和同会)側は朝日新聞社と、記事を書いた内山記者を相手取って名誉毀損訴訟を起こした。一審は紀子医師側のほぼ全面勝訴といえるものだった。しかし控訴審で逆転、上告も棄却され敗訴が確定した。10年以上かかっている。
裁判で負けているのですね。でも詐欺罪とかは適用されていないのは医療行為でないということなのでしょうか?わかりません・・・
なぜ色覚治療なのか。ポイントは、色盲色弱の治療なら治らなくても文句は言ってこないだろうし、多少文句は言われても、絶対訴えられることは無いと読んでいたからです。現に、目白メディカルクリニックでは 10 万人近い人が「治療」を受け、直接の治療費の被害額だけでも百数十億円、宿泊、交通費なども入れれば、1000 億円近い損害があったと思います。でも、誰一人として訴訟を起こした人はいません。
やはり色覚異常という負い目があるから集団訴訟などのもできなかったのかと思います。
訴えることは時間もお金もかかるし、勇気がいることですね。
また日本人ならではの気質もありますね。
騙された自分が悪かったと。
最初に「効果が無くても返金しません。それでもいいですか?」という前提で治療を受けたという負い目もあるし・・そんな感じですかね。
大人になって、色覚異常は遺伝で細胞の問題なので、電極などで治ること自体が虚偽だったと確信した。
何か親に申し訳ないことをした後ろめたさが残った出来事だった。
色弱・色盲は本当に治ったのか?
当の医院長の紀子氏にインタビューした記事が載っていた。
紀子が答えだしたが、案の定しどろもどろで、全く答えられない。石原表の正しい検査のやり方さえ知らない。表の後ろに書いてあると教えると、それを読み出す始末。
また、全色盲の人2%を除いて98%治ったなどというが全色盲の人は2%もいないはず、と指摘しても何もいえないし、98%治ったという根拠のデータを教えてくれといっても示せない。
本を書いた時点で患者が何人いたかという質問にも答えられなかった。
要するにデータがないのです
治った人のデータもないで本を書いたという事実。
こんな医療行為をしていたかと思うと本当に残念です。
引用:日本色覚差別撤廃の会・会報No.38
http://nodaiweb.university.jp/cms/letter-pdf/letter-38.pdf
僕も色弱で、小学生低学年の頃、一人で電車にのって2時間かけてあの拷問を受けに行きました。
はっきり言って36歳の今も色弱だし、何系の色に弱い等判明しているので生活や仕事に支障なく暮らしています。
ただ、あの拷問を信じてお金を払ってた両親が不憫です。
中には体験談をかかされた下記のような人もいたみたいです。
当時、高校生だった私も騙されました。
和同会は経営が苦しくなったのか、元々の約束であった「完治まで追加料金なしの同一料金」を勝手に破棄し、今後治療を受ける場合は、一回ごとに治療費を請求する旨通告してきたので、治療を断念しました。
腐りきった団体でした。
そもそも数十回通いましたが、効果は一切なく、苦痛のみでした。
症状が改善された人は1人もいないと確信しています。
体験談は私も無理やり書かされました。
当時は私も未熟だったので何の抵抗もできませんでした。
人生の汚点です。
このような団体がなんのお咎めもなく存在していたことが、今では信じられません
その他では
私は色盲色弱ではありませんでしたが、この治療によって偏頭痛とアトピーがほぼ完治した経験をもっています。
最初の30分の体験ではっきりとアトピーが改善し、霧が晴れるように頭が軽くなりました。
という効果もある人もいるようなので、何かしらの効用があるのかもしれませんね。
「色盲・色弱が100%治る」という誇大広告が一番の問題ですね。
まとめ:色弱・色覚異常の治療の真実
現時点で医学的に色覚異常が治る治療というのはみられませんが、中には民間療法的なもので細胞を活性化させるものがあるかもしれませんね。
色盲や色弱(正しくは「色覚異常」現在は、色盲や色弱と呼ばれなくなっている)が先天性のものであった場合、現在まで有効と医学的に認められた治療方法は存在しないとされています。
残念ながら色覚異常を現代の医学治療によって健常者のように見えるようにはできません。
けれども、
これも進化の過程で与えられた体。
意味があると思って、与えられたこの体で前向きに生きるのが一番だと思っています。
下記のコメント欄に実際に目白クリニックに通った方々のコメントの数々がありますのでご覧ください。